ある日。眼科さんの帰りにいつも立ち寄る古民家のカフェへ。
マダムは” ネット上での公開は控えて下さい。 “とのことですので詳細はふせますが,、私も誰にも教えたくないお篭りカフェなんです。
ここを訪れると少女だった頃の記憶が甦ります。小学生の頃、豆と人参のやうにくっついて遊んでくれたKちゃん。カフェと同じやうに古い古いお家に二世代で住んでいて、Kちゃんは女ばっかりの三人姉妹の末っ子。一番上に五つ離れた痩せたお姉さんがいて、ぬけるほど白く、手足が長く、おろした長い黒髪の間から見えるやや切れ長の一重が、子どもの私には謎めいて見えました。私が瞳を褒めると” 浅香唯ちゃんみたいな顔になりたい “と照れ笑いしていたのをよく覚えています。
三人姉妹は、二階の奥にあるひとつの部屋を共有していて、三つの机と二段ベッドが置かれていて、チェッカーズのポスターが貼られていて、あの頃の女姉妹の部屋に私は憧れていました。Kちゃんだけ寝る時は、たしかお母さんとお父さんの間だったはず。よく遊びに行く私にお姉さんは気さくで、” 別冊マーガレット “を教えてくれたっけ。それまで” なかよし “とか” りぼん “しか読んだことがなかった私にとって、線の細い、あごが尖って顔も首も長めの高校生の主人公が出る内容に、なんだか少しだけ、自分の許容範囲みたいなものの、グレードが高くなった気がして、自分が誇らしく、夢中になって読みました。細面な主人公が、お姉さんとかぶって見えてきて、私はマーガレットを通して、どっちが架空の人物なのか分からなくなるぐらいお姉さんにも夢中になったっけ。
原宿の竹下通りで買ったという英字プリントのトレーナーを真似して、お年玉をにぎり一人で買いに行った時のドキドキした記憶はいつまでも忘れません。いまだにひとりでふらふらすることが多い私ですが、この頃からはじまっていたやうな気がします。真似っこと思われたくなかったから、Kちゃんと会わない日にこっそり着て、きらきら光るスパンコールのやうなものが入ったカチューシャをつけて家の近辺を、やっぱりひとりでふらふらしたりもしました。ばったりKちゃんと会ったらどうしやうと、秘密を抱えた自分にときめいた、純度の高い滴のやうな少女時代です。
このカフェでは” 天然生活 “のバックナンバーがほぼ閲覧出来て、マダムが淹れる美味しい紅茶と共に篭ると、私のみぞおちの辺りの奥の奥にある小さなビロードのピンク色の箱がそっと開いて、日常生活では考えないこと、想わないことが、灯りに吸い寄せられるきらきらした羽虫のやうに溢れ出ます。私はこの瞬間が愛おしく懐かしく、いつ行ってもこの感覚に研ぎ澄まされるから、ここへ通うことは私の体の一部のやうなものなのです。
女の人にうまれて良かったなって。少女って複雑なものもたくさん持ってるけど、楽しいことを見つける感度が高いし、私は息子を育てているけど、男の子にも青春があるんだよな~って。我が息子の少年時代におかんはどんな想いになるのでせうか……
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