麺麭と珈琲と散歩

昨日は雪の降る前日。こういう日は二月とは思えないほど暖かい。風もなく穏やかで私の大好きな珈琲と麺麭と散歩が出来る日。さて、どこのパン屋さんにしやうか。せっかくのぽかぽか日和だから、近所の川沿いと平行して走る一両編成のローカル電車” 流鉄線の菜の花号 “を見に行こうか。最近の我が息子は車を見ても、入れ物の箱を見ても” でぇんしゃぁ、でぇんしゃぁ “と言う。そうだ!それなら川から近いパン屋さんの” PAO “にしよう!大急ぎで湯を沸かしドリップ珈琲を入れ携帯用ポットに注ぎ、息子の林檎と薩摩芋、麦茶を鞄に詰めてさあ出発。バギーに乗った息子を押しながらぐんぐん川沿いを進んでいくと、暖かさに首の後ろにじんわりと汗をかく、マフラーとコートを脱いでバギーにひっかけさらにぐんぐん歩いていくと、時々、漂う風がひゃっこくて気持ちよくてアイスクリームを食べる時の感覚に似て幸せになる。途中、ローカル電車がやって来たので、立ち止まり息子を降ろして見物。息子は金網にへばりついて、食い入るやうに見ていた。その後、ご機嫌良くなりパン屋さんまでの道のりですれ違う人全てに” ばぁいばぁ~い “と、かなり大きな声で手をふる。ところが、この日はPAOさんは定休日……何にしやうか選びながら店主と男の子の子育ての話など色々したかったのに……仕方がない、課題は残すと次回の楽しみが出来るからPAOさんは心の中で温めておこう。さらに先に進み線路を越えた所にあるパン屋” サフラン “へ行くことに。ここはイートインがあるのだけど、ウオーミングアップで気分も高揚してるところだから、近くにある公園でござを敷いて息子と戯れることにした。この日は平日なので芝生で野球の練習をするチームもなく、貸切の気分。手も足も伸びる伸びる。放し飼いの黒い犬がテニスボールをくわえて走っている。私は洋酒たっぷりのケーキのやうなものに、グラノーラが練り込まれたバゲットを買った。グラノーラの方は明日のお昼ご飯にするつもり。私が淹れる珈琲は” 馥郁たる “とはなりませんが、お外で飲む珈琲はインスタントだって、冷めていたってなんだって美味しくて、染み入って、あとから食べるケーキの甘味がしゅわしゅわと口の中で溶けて、私の体のどこかの一部をきっと発酵してくれるのだと思ふ。息子も薩摩芋を食べながら先週から言えるやうになった” おいしい、おいしい “を繰り返している。出かけたのがお昼過ぎだったからあっという間に夕刻手前になって、近くにある古着屋に行って、それから図書館の絵本コーナーで息子と遊んでと思っていたのに時間がなく、それは次の機会にすることに。したいことをやるには24時間ではたりなくて、毎日毎日、はがゆい私。森茉莉よろしく、” したいこと、やらなければならないことはいつの間にか付箋が貼られているし、出来ている “と本に書いてあったっけ。春になったらたくさん、麺麭と珈琲を持ってこの公園にも、あのパン屋さんにも、あのカフェにも行きませふ。窓を見ると雨から雪に変わっているやうな大きい粒が後から後から降り注いでいます。

投稿者: Tsuyako

アンティークやヴィンテージの香水敏やコンパクトなどのヴァニティアイテムやロマンティシズム漂う雑貨のオンラインショップ”薔薇色の艶子”の店主、艶子と申します。 好きな香りと音楽、本、ちょっとのお酒に珈琲、甘いデザートと路地裏に満たされて、こっくりとロマンティシズムにうっとりとノスタルジックに艶子の日常を綴ります。 どうぞ召しませ。

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