息子にお歌をうたってあげたいと思い図書館で借りた童謡の本。
” ひなまつり “と” ちいさい秋みつけた “の歌詞にノスタルジックな言葉の数々があてられていてうっとりとしてしまいました。今の小学生にこの歌を教えるなら注釈をつけないとならないやうな言葉の使い方。耳慣れない言葉にメロディをのせると、なんとはなしに儚げで夢うつつで、とろりとした梅雨空の午後に口ずさめば、沼田元氣先生の写真集の中の瞳の大きな少女のやうな、乙女な気分になれます。
ふたつの歌は偶然にもサトウハチローの作詞。
ひなまつりはお嫁に行く前に亡くなってしまったお姉さんを想って。
ちいさい秋みつけたは幼い頃に生き別れて二度と会う事のなかった母に向けて。お部屋はは北向き曇りのガラスうつろな目の色溶かしたミルク。一瞬、何のことを言っているのか分かりませんでしたが、母親がいつも過ごしていた北側の部屋。ミルクを溶かしたやうな曇ったガラス窓。ほんのわずかな母親と過ごした幼き頃の記憶だそうです。サトウハチローの存在は5年ほど前のNHKのドラマで知ったのですが、なんとも破天荒で荒々しいイメージが。でもこんなロマンチストな一面も持っていたなんてね。女性にもてたやうですが、なるほどねという具合です。
水無月のレースのやうな細く長い雨が、いつまでもいつまでも降るやうな日は、明瞭になろうとはせず、とっぷりと雨の中へ溶け込んでしまうふのもいいものです。まるで北原白秋の詩の中のやうに。