夢二の”三味線草”に少しふれてみませふ。

昭和52年にノーベル書房より刊行されました、夢二の本のシリーズ。

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本を読むのに特別な決まりごとは御座いませんので、ノンシャランと”三味線草”を掻い摘んだきり。気分で少しずつ、今年中に読もうかしらんという具合です。三味線草の表紙に描かれた三味線を爪弾く芸子の絵姿に色気はもちろん、義侠のやうな、徒ならぬものを感じ、風はないが、ざーざーと強くまっすぐ吹き荒ぶ雨が屋根や壁にうちつけるやうな家屋で、一心不乱に爪弾く情景が、目を閉じれば浮かんできます。

手に取るのは思いついた時で、この後に、高野文子の”るきさん”を読んだり、”ku:nel”のバックナンバーを、ぎゅーぎゅーに詰まった雑誌の束から引っぱり出して読んだりと、人から見れば鱸のムニエルの横に王将の餃子があるやうなもので、それでも読む側としては一文字、一ページと真摯に向き合うのだから、私の中では血肉となっているだろうから、それはそれでいい。”噛むやうに読む”という表現が好き。

秋晴れの千駄木” 檸檬の実 “と、その後” 赤坂蚤の市 “へ

ある日。秋晴れの日。

千駄木にある古民家の食事処” 檸檬の実 “へ主人と息子と三人でランチをしに参りました。

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日の光がこの界隈のびっしりと詰まった、家と家の間に、植木鉢や開いた窓ガラスの隙間に、とろりとろりとこぼれ落ちます。もっさりもっさりと歩く路地裏の猫のお尻がこの日のうららかさを物語っているやうで。

檸檬の実は店内の撮影が出来ませんので、帰り際に買った店主” イダマイコ “さん手作りの” 無花果のタルト “を、この日蚤の市で購入したお皿に添えてみました。無花果のピンクと、ファイヤーキングほどはっきりとしない、淡い翡翠色の皿の色味から出るロマンチシズムに、ひとりほくそ笑む艶子さんです。タルトは程好い甘さとしっとり加減、下の生地は薄くサクサクで、噛む行為ってこんなにも心地良いものなのかしらんといった具合・笑。

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鮭の南蛮漬けに三種のマリネ、こんもり盛られたぴかぴかの白米に湯気のたつ御味御汁。この日食したランチを、振り返ってはぽわぽわとしてしまいます。店内は昭和の古民家に施されたカントリー調のインテリア。おばあちゃん座りで読める高さの本棚には厳選されて置かれた本の幾つか。一階のカウンターに置かれた大皿に盛られたテイクアウトのタルトやパンなどなど。店主のセンスにお腹も心も満たされることでせふ。

http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13127458/

 

 

今の時期の蚤の市はゆったりと物色できていいものです。ぶらりぶらりと皆さんの後姿に幸せを感じませふ。

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原宿” Jack’s ” 20th Anniversary☆渋谷 Trump Room

ある日。原宿・竹下通りにお店を構える” Jack’s Vintage Clothing “の20周年記念イベントで渋谷にある” Trump Room “へ行って参りました。

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この日は、主人がお仕事でぬけられない為、息子と二人、セーラーのペアルックで夜の渋谷へ☆繁華街のまばゆいネオンと人ごみ、暮れゆく街並みにハートはすっかりノスタルジーに。デート気分の母で御座います・笑。

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まだ私が、” ヴィンテージファッション “というものを知らない初心な少女だった頃、たまたま友達から誘われた下北沢のイベントでJack’sが出展をしていて、その存在を知りました。見たこともないやうなウエスタンやセーラーなどのヴィンテージの服から、何となく古い映画で見て知っているドレスやヘッドピースに小さな鞄まで、心を激しく揺さぶられたまばゆい記憶が御座います。それからは、も~う、若さゆへヴィンテージファッションの世界へまっしぐら、海外へも買い物の範囲を広げ、時間とお金をたくさん使いました・笑。下北沢のイベントで今の主人を最初に紹介してくれたのもJack’sの店主です。おかげで、子を持つ身となり、感謝しております。一緒に楽しんだ友達は皆、コンサバティブな新しい洋服のスタイルへと変わっていってしまいましたが、私は生涯現役、息子の代まで伝えてゆきたいと想うこの頃です。

サトーさん、アイリちゃん!改めておめでとう御座います。大好きよん☆☆☆

https://ja-jp.facebook.com/pages/%E5%8E%9F%E5%AE%BF%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-Harajuku-Jacks/513177805409766

井の頭公園の緑の奥に佇む”Café du liévre うさぎ館”へ

ある日。秋晴れの吉祥寺にて。出かける直前に珈琲を胸にこぼし、ぐだぐだな私だったけれど、こんな可愛いカフェに来れたから良しとしませう。この日は母も一緒で息子の相手をしてくれたおかで、私はたゆたうやうにお茶を飲みました。

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ゴルゴゾーラのソースに埋もれた小麦粉のクレープ。サワークリームのせ。ピンクの胡椒に陶酔(うっとり)。

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よくお水に浸して、しゃきしゃきさせたお野菜をのせたそば粉のガレット。ガーリックにスパイスを効かせたクリーム色のソースがそば粉の香りを奏でます。ほんのりとチーズのお味も?!

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エンボス加工が施された天井のライティング、小さな小さなオルガン、壁を少し作り変えたのでせうか?ヨーロッパを想わせるアイアンフェンス。あちこちにアンティークが見られノスタルジーな装いの店内。翡翠色とベビーピンクの組み合わせは乙女の法則のひとつです。

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可愛らしい地下へと続く階段を降りれば、オーナーである吉田キミコさんの作品が見られる小さな小さな美術館。

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ここは、井の頭公園の緑の奥に佇むちょっと風変わりなカフェ。

Café du liévre うさぎ館で御座います。

017a 065a http://lievre.me/

武蔵野市立吉祥寺美術館”加藤まさを乙女デザイン展”にも。100円で鑑賞出来る小さな小さな美術館。

白さうびの中に幼女の顔の絵。古語辞典を紐解くと”さうび”とは薔薇のこと。風蘭の中に佇む妖精の絵、薔薇の栞に、乙女な装いのロマンチシズムあふれる便箋など、ただただ可愛らしいだけではない、そこはかとなく匂う危うさを感じたのは私だけでせうか?そのアブノーマルな世界観に息を潜め、細かいレースのやうな、淡い雨を見るやうでした。(2014年9月15日にて終了)

http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/

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灯りに吸い寄せられる羽虫のやうに、淡い桃色の乙女の世界に向ってしまふのです。

代官山の”月箱”さんへ新商品追加のお知らせ

代官山の”月箱”さんにて、少しでは御座いますが商品を販売させて頂いております。

1940~60年代頃のヴィンテージレースのセットを追加いたしました。

当時のランジェリーなどの縁取りによく使用されていた、レーシーでロマンチシズムあふれるデザインに、うっとりしてしまふことでせう。お近くにお寄りの際は、どうぞ御覧遊ばせ。

デッドストックのレース3点セット。1,240円(税込み)

他にも様々なアーティストさんの手作り雑貨が所狭しと置かれてあり、長居出来ちゃう素敵なお店です☆どうぞ召しませ。

http://www.tsukibaco.com/

途中、ぶらぶらと立ち寄ったレストラン。パティスリーも併設されておりパン・オ・ショコラが音を出すほどサクサクでした。こちらもご賞味あれ☆

http://www.madame-toki.com/

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高田せい子+田村セツコ”屋根裏部屋からの手紙展”にて

ある日。下北沢にある乙女な喫茶店”バブーシュカ”にて開催されております、高田せい子+田村セツコ”屋根裏部屋からの手紙展”へ行って参りました。

息子を抱き個展会場へ向う道すがら、茶沢通りを歩くセツコ先生をお見かけしました。華奢な体で背筋を伸ばし、ゆっくりと、まるで鍵盤の上で遊ぶやうに軽やかに歩く後姿は、大変失礼ですが、70歳をとうに過ぎているとは思えず。折りたたみ傘をリメイクした手作りのお洋服に、黒いリボンの髪飾りの装いは甘い個性で、”永遠少女”の異名をとるのも納得です。

急にお声をかけたりしたら失礼かしらん?セツコ先生の少し後ろを歩く私は、ぶつぶつと念仏を唱えるやうに自問自答しておりましたが、止められない自分が勝り、” セツコ先生ですよね! ”と一声。歩を止め私の目をまっすぐ見つめ、くしゃっとした笑顔を向けて下さいました。

絵を鑑賞している間も、息子へ” 何をモゴモゴしているのかな? ”とか” マリンルックでママとおそろいね ”とか、まるでご近所同士の立ち話のやうに気さくに声をかけて下さり、高田せい子さんとセツコ先生のコラボの作品をやんわり、囁くやうに説明してくださりました。

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小さな額の中に二人の作品が繊細に詰まっているのが、まるで長年コレクションしてきたビーズがたくさん詰まった箱のやうな、宝石箱のやうな少女の頃の憧れを髣髴させる作品で、近くにセツコ先生本人が居るという現実に緊張してしまい、撮影した作品の写真はぶれてしまっております…

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忙しいのにもかかわらず、私のサインへの要望も快く受けて頂き、一緒の写真をお願いすれば私の腰に抱きついてポーズを取ってくれて。汗をかいていることを言うと” いいのよ♪ いいのよ♪ ”ですって!セツコ先生が注文されたオムライスに刺さっていた、先生の作品が描かれている旗を引き抜いて” これあげる♪ ”と笑顔でおどけて見せて。セツコ先生がしゃべると、カラフルなお花畑に飛んで行けるやうな。会話に関係ない周りの人たちまでも微笑ましく感じている様子でした。

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最後に私のお店”薔薇色の艶子”の名刺を手渡しましたら、” これは何?お店はどこにあるの?私パソコンは持ってないから… ”と簡単にあしらうことなく、真摯に対応して下さり、” ここに居る皆さんにも名刺を配りなさい ”と優しいお言葉を。

くしゃっとした笑顔がチャーミングなセツコ先生。先生がそこに居るだけで、そこは花園になり皆が幸せな心持になれます。私もあやかりたいな。奥深い何かを教えて頂いた忘れられない日になりました。

乙女の大好きがたくさん詰まった小さなお店。小さい中にぎゅっと可愛いものが集まっているのが好きで、これも東京の魅力の一つです。https://twitter.com/babooshkatka

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団子坂上のパン屋さん”パリットフワット”

文京区の団子坂の上にあるパン屋さん”パリットフワット”

深緑色のよもぎに胡桃、無花果、チョコレート、オレンジピールetc…

ずっしりと詰まった肉厚なパンを大切に抱え家に持って帰る。

お気に入りのジャムや蜂蜜を塗って食す喜びこの上なく。

こっくりと艶めいた苺ジャムを無造作に塗ってほおばるのもよし。

まるで手先を機敏に動かす寿司職人のやうに、丁寧にジャムを塗って上品に口に運ぶのもよし。

口いっぱいに広がる上質な小麦の香りにうっとり。

神経が参ってしまいます。

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夏を惜しむ蝉

家のベランダに右の羽が短い異形の蝉が一匹。

”  ミィミィミィミィミィィィィーーンンンンンッッーー  ”

”  ジィジィジィジィジィジィジィィィィ  ”

鳴き声は唸るやうで、高く大きく鳴いてから、ゆっくりと低くなって、消え入る頃に、急に大きな音に戻るから、こちらを吃驚させる。

夏を惜しむやうに、残り僅かな灯火を惜しむやうに…

与謝野晶子ならこんな時に、どんな一句を残すのかしらんと、もの想いに耽る艶子さんで御座います。

旧街道沿いの和菓子屋さん

私の住んでいる町の旧街道沿いに、明治の建物をそのままに残す和菓子屋さんが御座います。ぐいっと湾曲した屋根瓦の一枚一枚は何とも風光明媚。気泡やゆらぎが見られる古いガラスの引き戸に手の先を沿え、ゆっくりと丁寧に引くと聞こえるガラガラという音に耳を澄ますと、まるでセピア色の映画の主人公になったやうで。暖簾をそっとくぐって中に入れば、地続きの土間のやうな作りと申しませうか、土臭く湯気が立つやうなこもった雰囲気。外の様子とは明らかに目に見えない何かが、がらりと変わります。わずかな光しか通さない翳りある店内に置かれた、古いガラスのショーケースには、季節の水菓子、角が際立つ水羊羹、葛きり、可愛らしい千代紙の貼られた折箱に詰められた最中、御煎餅などなど、カウンターの上に置かれた麩まんじゅうが美味しそうで。羊羹を幾つか包んでもらい。麩まんじゅうはお店の外に出たらすぐに食べてしまおうかしらんとかなんとか…

旧街道の向こう側からこの和風建築を眺めていると、時代劇に出てきそうな宿場のやうな、もしくは老舗の温泉街のやうにも見えてきます。この通りには帝国と名を付けた古い建物を持つ時計屋さんが御座いましたが、マンションの建設によりお店をたたまれてしまいました。もうあの狭い店内にたくさん飾られた”ぼんぼん時計”が見られないと思うと残念に想います。